【焼肉@赤坂】おやじのおとうと
酒は人の本性を呼び起こす一方で、美味しいものは人の気持ちを和らげる、という話を書きます。
私には尊敬できる先輩がいて、その方と盃を交わしながら熱い話をする(聞くのがメイン)ことがよくあります。
その方と赤坂に居たのでいつも通り夕食選択権を行使し、ずっと気になっていた焼肉屋さんに行きました。
◆おやじのおとうと@赤坂
赤坂の焼肉だなんてお高いんでしょう?
と思いきや、7品+つまみ+適度なお酒で一人9,000円ほど。
身構えておけば、たまになら、せっかくなら、いける価格帯だと思います。
何より美味しいので。
飲食店が立ち並ぶ通り沿いの地下1階にあり、少しの分かりづらさが程よい客層を保っている気がします。
特徴的なのがオーダーの仕方。
予算やお腹の空き具合、滞在時間をベースに基本的にお店のおまかせコースになります。
店員さんが丁寧にシステムを説明してくれるし、これは食べたい!というものがあればコースに入れてもらえます。
一皿ずつどうやって食べたら最高に美味しいか説明があり、物によっては店員さんが焼いてくれました。
各皿一人2枚ずつ食べられるように盛られており、薬味も複数あるため味変も楽しめます。
毎度書いている通り、詳しくどう美味しかったかはボキャブラリーが足りないのでぜひ体験してみてください。
こちらはホルモンが売りで、上ミノなどが眉間に皺が寄るくらい美味しかったです。
あとレバーが大好きなのですが、苦手な人もここのレバーはいけると思う!(レバー好きの人が言うセリフランキング1位の表現しかできず申し訳ないですが)
もちろん他のお肉もうまいうまい言い合ってました。
敷居が高すぎず低すぎない感じで雰囲気もヨシ!
会社の同僚や上司とも行けるし、何回めのデートでも使える感じでしょうか。
あの辺りでお肉食べたいなーとのリクエストがあったら一番に思い浮かぶお店となりました。
さて、冒頭に書いたことですが、要約すると焼肉が美味すぎていつもぷりぷりしている先輩がニコニコだったという話です。
※陰で悪く言うのは好きじゃないので、以下、1/10くらいにライトに表現していきます
その先輩は、いつも他人の改善点によく気づき、それを私に共有してくださいます。
お酒を飲むと多くの時間をそれに割くほど熱心な方です。
言っていることは論理的で大抵正しく、こちらは「そうっすね〜」と返す時間です。
大前提として、悪口ではなく事実を述べているのだと。
会話に花が咲くという表現と、不毛な時間という表現が見事な対比になっていることに気付かされます。
誘われて、行くも行かぬも自分で決めているので、この状況に文句があるわけではありません。
ただ、いつかこの傾聴が役に立つかもしれないというモチベーションで時間が過ぎるのを待つことがある、、というだけです。。
それが今回、おやじのおとうとに行って、いつでもそういうわけではないことが分かりました。
お酒はいつも通り飲みつつも、お肉全てが美味しくて、意識がお肉に向くわけです。
私も煉獄さんばりの「ウマイ」を連呼するし、いい具合に店員さんがお肉を焼きながら絡んでくれるのでテーブルの雰囲気がずっと良い状態でした。
いつもと何が違っていたのかは明白で、美味しいものを食べていたかどうか。
誰だって自分自身に何か抱えていたり他人に思いがあったりする中で、お酒は良くも悪くもその隠れている部分をオープンにしてしまう。
一方で、飲みニケーションをしつつもそこに美味しいものが加わるだけで幸福度が増しその場が明るくなる。
いつもは早く過ぎてほしいと思う時間が、思い出にすらなってしまう。
焼肉、お前すげえよ!
おじさん世代は、若者は飲みニケーションをしない、何を考えているか分からないと言う。
そんな諸先輩方に(自分はこうならないぞという戒めも込めて)一言。
若者を誘う時くらい経験と財力を活かして美味しいお店に行きましょうや。
諭吉一人の力を借りるだけで20も離れた子と関係を良くできるなら安いもんでしょうよ。
若者世代は、自分の時間をわざわざおじさんの話を聞くために使いたくないと言う。
そんな生きづらさを抱えている後輩達に30歳からアドバイスを。
お店選びは全てのチャンスだ。
自分が行きたいお店も、自分じゃ高いと感じるお店も選べるし、美味しいものを食べられて、さらに「良い店知ってるな〜」と仕事よりも何倍も手軽に評価される。
ちょっとの時間と労力で、コスパよくステップアップできることを知ってほしい。
とにかく、「何の話をすればよいか分からず結果的に武勇伝を話しちゃう人」と「興味の無い話を聞かされるという側面しか見えていない人」は、美味いものを食えばよいのだ。
「これ、美味しいな」「っすね!」
それでいいのだ。